
家を建てたり購入したりする際「長期優良住宅」という言葉をよく聞きますよね。認定されることでさまざまな優遇があることで知られる長期優良住宅ですが、具体的にはどのような住宅のことを指すのでしょうか。今回は長期優良住宅の認定基準とともに、長期優良住宅を選択することで生じるメリット・デメリットもあわせて解説します。
目次
長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは、簡単にいうと長く安全に住み続けられるように普通の住宅と比べて高い性能や特別な構造を持っていて、なおかつそれを国から認められている住宅のことです。従来の日本は、建物を作っては壊す、いわゆるスクラップ&ビルド型の社会でした。
次々と新しい建物を増やし、必要がなくなったら壊して、また必要になったら別の場所に同じような建物を建てればいいという価値観で社会全体が動いていたのです。しかし、それではもちろん環境的な負荷も大きいですし、エネルギー消費の面から考えても効率的ではありませんよね。
さらに昨今のエコ志向の広がりも追い風となり、社会は「性能がいい建物を作り、メンテナンスを加えながら長く大切に使い続けていく」というストック型へと移行してきたのです。その流れを受けて、たくさんの優良住宅を増やすために設けられたのが長期優良住宅という制度です。
長期優良住宅の認定基準
長期優良住宅として国から認定を受けるには、国が定めている認定基準を満たす必要があります。たとえば新築一戸建ての場合、長期優良住宅の認定基準はおもに以下のようなものになります。
耐震性
壁の配置や基礎、接合部などから割り出される耐震等級が「3」以上であること。さらに、地震が起こっても継続して住み続けるために行う改修がなるべく簡単で済むように、損傷レベルが低減できる措置をとっていること。
省エネルギー性
建物が断熱性に優れていて、断熱等性能等級が「5」以上であること。また、省エネ法によって定められた省エネルギー性能が確保されていること。
劣化対策
建物が建ってから数世代にわたる長い期間が経過しても、問題なく建物が使用できること。具体的には、劣化対策等級「3」相当にプラスして、必要に応じて点検やメンテナンスができるように床下と小屋裏に点検口が設けてあり、床下には330mm以上の空間を確保していること。
維持管理・更新の容易性
配管など、耐用年数が比較的短い部分に対して、適切な維持管理ができるようにしてあること。つまり、建物が3世代ほどにわたり使用可能でも配管などはそれより前に交換や補修が必要になる場合が多いため、メンテナンスがしやすくなっているかということです。
維持保全計画
建築する段階で、将来どのような期間でどのようなメンテナンスを行うのかあらかじめ計画されていること。
バリアフリー性
高齢者が暮らしやすいように、将来バリアフリー化できるかどうか。建築する段階では高齢者がいなくても、そのまま住み続けた場合はいずれ高齢者が住むことにもなりますよね。
バリアフリー化できなければその時点で建て直しや引越しとなってしまうので、長期優良住宅とはいえません。暮らし方が変わっても、なるべく簡単に対応できる、それが長期優良住宅のよさであり目的でもあります。
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅にした場合、メリットはたくさんありますが、中でも最大のメリットは税制上の優遇があるという点です。長期優良住宅の認定を受けられれば、控除や税金の軽減もあるので、その分得することになります。
また、もし売却する場合は長期優良住宅だと資産価値が高くなるので、相場より高値で売却できる可能性も高くなります。さらに、長期優良住宅に認定されているということは地震や災害に強い住宅であるということの証明にもなるため、割引価格で地震保険に加入できることもあります。
保険会社によってそれぞれ適用条件を設けているため、地震保険に加入する際はぜひチェックしてみてくださいね。
長期優良住宅のデメリット
逆に、長期優良住宅のデメリットとしてはやはりコスト面が挙げられます。
いわゆるローコスト住宅とは違い、長期優良住宅だと基準を満たすために建築費用も高くなるうえ、最初に設けた維持保全計画に従ったメンテナンスを行わないと国からの認定が取り消されることにもなるので「今はお金がないからメンテナンスはまだ先でいいかな」というように先延ばしができません。
長期優良住宅にするなら、金銭的にも長期的な目線で計画しておく必要があります。また、長期優良住宅に認定されるためには申請が必要で、その申請が通らないと着工できません。そのため入居までの期間が延びることもあります。
まとめ
このように、長期優良住宅に認定されるにはさまざまな基準をクリアする必要があり、それなりにコストや手間や時間もかかります。
とはいえ、結果として国が認める基準以上の安全性や将来性を備えた住宅にできるということでもあるので、長く住み続ける住宅にするつもりなら長期優良住宅にしておいたほうが結局はメリットも多くなります。自分や家族の未来を見据えて、長期優良住宅にしたほうがいいのかどうかをよく検討してみてくださいね。
おすすめ関連記事
-
住宅メーカー関連コラム
御薗宇小学校周辺の土地相場は?学区から土地探しをするポイント
土地を購入する時に気になるのが土地相場です。土地相場は住みやすさ・勤務地へのアクセスのよさ・地盤整備にかかった金額などで変わってきます。ところで最近、新築におすすめのエリアが御薗宇小学校周辺です。今回は御薗宇小学校周辺の
-
住宅メーカー関連コラム
御薗宇・八本松・寺家駅周辺の住みやすさは?新築住宅を建てるのにおすすめのエリアを紹介!
東広島市は人口約19万人の都市です。東広島市には御薗宇・八本松・寺家があります。御薗宇・八本松・寺家は新築住宅を建てるのにおすすめのエリアといわれています。では、御薗宇・八本松・寺家駅周辺は住みやすいのでしょうか。今回は
-
住宅メーカー関連コラム
注文住宅で人気の造作家具とは?メリット・デメリットを紹介!
せっかく注文住宅を建てるなら、家具も既製品ではなく造作家具にしたいと憧れている人も多いのではないでしょうか。しかし、造作家具といってもたくさんの種類があり、どこに採用するのか迷ってしまいます。そこで今回は、造作家具の種類
-
住宅メーカー関連コラム
注文住宅を建てるときの住宅ローンの審査基準や流れ
注文住宅を購入する際は、多くの人が住宅ローンを利用するかと思います。しかし、住宅ローンの審査基準や審査のタイミング、ローン実行のタイミングなどを把握していないと、手続き中に戸惑ってしまうこともあるでしょう。今回は注文住宅
-
住宅メーカー関連コラム
東広島で土地探しをしている方必見!建築条件付き土地とは?
東広島で、土地探しをしていると、建築条件付き土地というのが見つかります。一般的なほかの土地と比べて安く買える印象です。そのため買い手としてはお買い得の土地といえます。では、建築条件付き土地とはどんな土地なのでしょうか?今
-
住宅メーカー関連コラム
注文住宅でおすすめの間取りや後悔しないためのポイント
注文住宅の醍醐味は間取りを自由に決められる点ですが、0から間取りを作り上げるとなると、どのようなスタイルを採用すべきか悩んでしまう人も多いでしょう。また、実際に生活してから気づく失敗や後悔も多いです。今回は注文住宅でおす